公益法人移行認定の要件

Point

公益法人移行認定の要件は、一般法人移行認可の要件の①を満たしている上で、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下、認定法)第五条に定めてある要件を満たす必要があります。

さらに詳しく

具体的には全部で18項目の要件を満たす必要がありますが、代表的なものとしては、以下の6項目があります。

  • ①法人の主たる目的が「公益目的事業」を行うことを目的とする。(第1項)
  • ②公益目的事業を行うのに必要な「経理的基礎」及び「技術的能力」を有する。(第2項)
  • ③公益目的事業について「収支相償」であること。(第6項)
  • ④「公益目的事業費率」が50%以上であること。(第8項)
  • ⑤「遊休財産額」(内部留保と似た概念)が公益目的事業費の1年分以下であること。(第9項)
  • ⑥他の同一の団体の理事又は使用人等が、理事監事の1/3超とならないこと。(第11項)

具体的な用語については、簡単に説明すると以下の通りになります。

「公益目的事業」とは、認定法第2条第4項別表各号に掲示された公益を目的とする事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものとなります。これについてはこちらのQ&Aで詳しく解説します。
「経理的基礎」とは、公益目的事業を行うにあたって財務状況が健全であること、財産の管理・運用にあたって法人の役員が適切に関与すること、情報開示の適正性が経理事務の精通者によって確保されていることの3点となります。なお、情報開示の適正性については公認会計士もしくは税理士が監事にいる場合は無条件でクリアになっているものとみなされます。
「技術的能力」とは事業を実施するための技術や専門的能力を持つ人材や設備を保有しているということです。検査検定事業や、技術開発研究開発事業を行う場合に要求されます。
「収支相償」とは、公益目的事業において、経常収入から経常支出を差し引いた経常収支差額(一般企業でいうところの通常の事業活動における損益(経常損益))がプラスマイナスゼロかマイナスであることです(調整項目あり)。
「公益目的事業費率」とは、公益目的事業の事業費が法人の総事業費に占める割合(若干の調整項目あり)のことです。
「遊休財産額」とは、使用する目的・時期・用途のいずれかが決まっていない財産の額のことです。

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