公益法人移行認定を受けるメリット

公益法人移行認定を受けるメリットは次の2点に絞られます。

• ①名称に公益を付けることができます。
• ②税制上の優遇を受けることができます。

名称

名称に「公益社団法人」・「公益財団法人」と、公益を付けることができ、名実ともに公益活動を行う法人であることを対外的に示すことができます。

税制上の優遇としては、以下の２つがあります。

個人および他の法人にとっての優遇措置

公益法人移行認定を受けた法人は、自動的に税制上の特定公益増進法人（所得税法施行令第217条及び法人税法施行令第77条）と認定されることになるため、公益法人移行認定を受けた法人に寄付をした個人および法人にとっては納付する所得税および法人税を節税する効果があります。（ただし計算にて算出される限度額があります。）

公益法人にとっての優遇措置

収益事業以外の事業に関する収入に対する法人税の免除、および法人都道府県民税、並びに法人市民税の免除もありますが、公益目的事業会計はゼロかマイナスが予定されていること、および法人都道府県民税、並びに法人市民税については、今までも地方自治の条例レベルで免除になっていることから、この点での優遇というのは従来と変わりません。

上記をご覧になっていただいたわかると思いますが、個人的な見解として、公益法人そのものにとっては、公益認定を受けるメリットはほとんどないと思います。その理由は、厳しい制約の割には、新たな優遇は寄附をした法人個人の節税しかないためです。

それでもあえて、いろいろな理由があって公益認定を取らざるを得ない社団法人・財団法人が大多数を占めていることは事実であります。それらは個々の法人によって異なる事情があるため、ここで述べることはできません。